■皮革(ひかく)のお話

●「皮」と「革」

「皮」は動物の皮膚表面の表皮層、そして最近は化粧品などにも使われていますがコラーゲンというたんぱく質の束が複雑につながってでできている真皮層、それと筋肉と骨の間にある部分の皮下層にわかれていて、この中の真皮層の部分が「革」に使われます。

漢字の「皮」は動物の生の毛皮で、柔らかく腐りにくいものにすると「革」と書きます。

大昔から人は動物を食べていました。古くはエジプト紀元前2500年前のころから
動物の皮も噛むと柔らかくなり、煙が皮にかかると腐りにくく長持ちさせることを知るようになりました。これを「なめす」といいます。

●なめし方には主だったものとしてタンニンなめしと、クロムなめしがあります。

タンニンなめし

お茶やコーヒーなどにも入っているタンニン。木の皮に含まれているタンニンを取り出し動物の皮に含ませると丈夫になり、加工しやすくなります。
日本にもその前から「白なめし」(菜種油と塩で仕上げる)や魚の油や動物の脳を使ったなめし方法があったそうです。このタンニンなめしは約100年前に伝わり、最初はうまく作れなかったようです。

クロムなめし

クロムなめしは19世紀ごろに塩酸と重クロム酸を使いなめす方法が考えられました。
これも日本には約100年前に伝わった方法です。柔らかく早く作られるのでこの方法が革製品では現在も主流となっています。